「論理的」に見える受け答えの技術! 鈴木鋭智さん
こんにちは!
今回紹介する方は、
企業研修・ビジネスセミナー講師である鈴木鋭智さんです。
【目次】
プロフィール
鈴木鋭智(すずき えいち)
株式会社キャリア・サポート・セミナー顧問講師
ビジネス書・受験参考書著者「MECEもロジックツリーも使わないロジカルシンキング&ロジカルライティング」を得意とする企業研修・ビジネスセミナー講師。
著書『何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55』は2011年の発売以来6年連続Amazonカテゴリ1位、シリーズ累計13万部のベストセラーとして知られる。
代々木ゼミナール講師時代、小論文を「文章表現ではなく問題解決の科目」と再定義することによって合格率を倍増。浪人生のゴチャゴチャになった頭を整理するツールとして「ミニマルシンキング(論点を最小限に絞る思考法)」を開発し、NHK Eテレ「テストの花道」はじめテレビ・雑誌などでも活躍。
またビジネス書『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』、『仕事に必要なのは「話し方」より「答え方」』はアジア諸国でも翻訳出版される。
普段は企業の人材育成をされている鈴木さん。
主に20代の仕事に行き詰まってる人や、就活に行き詰まってる人にサバイバルと下剋上の仕方を教えているといいます。
具体的には、「ロジカルな話し方、書き方、議論の仕方」を指導しているとのこと。
今ある状況から逆転をしたい方、要チェックです。
国語には2つのジャンルがある
小学校、中学校、高校と国語の科目があったと思います。
そんな国語には教養とロジックの2つのジャンルがあるといいます。
それぞれどういった意味なのでしょうか。
教養とは、美しい日本語の表現、正しい敬語の使い方、漢字の知識、文学の鑑賞……など。
いわゆる知識系の勉強を意味します。
一方、ロジックとは誤解させないための説明の仕方、的を射た受け答えの仕方を意味します。
文部科学省の学習指導量をくまなく探すと見つかるジャンル。
そのため、現場の国語の先生も気づいてない人がほとんど。
結果、教えられる内容のほとんどが教養に偏ってしまっている状況というのです。
ただ、社会に出てから必要なことはロジックだといいます。
「社会に出て必要なことはロジック。なぜなら、美しい日本語の表現、正しい敬語の使い方、漢字の知識は今の時代検索すれば出てくるからです。
ところが、誤解させないための説明の仕方、的を射た受け答えの仕方は、知識ではないためググってもわかりません。しかも教養にあたる部分は、日本国内だけのローカルルールです。これからの時代、取引先やお客さん、上司、部下が外国人になります。日本国内だけにしか通用しない教養に詳しくなっても活躍できる場は年々狭まってしまうのです。それに対してロジックは世界共通です」
教養とロジックの違いがわかったと思います。
例を挙げて説明を続けます。
「現地法人のアメリカ人の社長に誘われるわけです。
『へい!今度の週末、うちでバーベキューをやるんだけど君も来ないか?』
これが日本の場合、
『ホームパーティーですか!素晴らしい!奥様は料理が上手だし……あ、すみません!あいにく当日、息子の運動会と重なってまして……』
日本のサラリーマンはこれで話が済みます。
参加しないのだな、と。
ところがアメリカで同じことを言ったら、
『So. Do you come or not?』
つまり、息子の運動会があるから参加できませんなのか、息子の運動会があるけどそれを犠牲にして参加するのか、どちらか聞かれます。まずは結論を言おうぜ、と。
このように相手の求める受け答えをできるかがこれから活躍できる人間を分けるカギになるのです」
誤解させないための説明の仕方、的を射た受け答えができるようになれば、英語や中国語ができなくても優秀なスタッフが通訳をしてくれるようになるといいます。
「英語をしないと」と思いがちですが、その前に基礎的な物事の考え方が成り立っていなくては、どこに行っても活躍できません。
見落としていた大切な点に気づかせてくれました。
疑問形にある2つの意味
普段の会話で何気なく使っている疑問形。
そんな疑問系の用法には2つの種類があるといいます。
①質問(説明が欲しい)
②反語(否定を意味する)
「君、この仕事に向いてないんじゃないの?」
たとえば就活の面接で質問されたとしましょう。
ここでのポイントは最初から反語で受け取らないこと。
採用担当者は「できます」「大丈夫」と言って欲しい。
しかしながら、これを否定を意味する反語と捉えてしまい「人格を否定された」と感じてしまう(場合によっては圧迫面接とも受け取ってしまう)。
そのため、話がややこしくなってしまうといいます。
考えてみれば、これから我が社に入る可能性のある学生に対して恨みを買いたくないでしょう…
相手は、説明が欲しいのか否定したいのか、見極められるかが大切だといいます。
この知識があれば「就活の面接のストレスは半分に減るでしょう」というメッセージをいただきました。
ぜひ、頭の片隅に留めておきましょう。
「意見」を求められたら?
「君、何か意見はあるか?」
新入社員になれば、上司から尋ねられることがあるでしょう。
それに対して何も答えられず固まってしまうこともあると思います。
ではそもそも、意見とは何でしょうか。
鈴木さん曰く、意見と言えるものと言えないものの区別は「それに対して賛成・反対が言えるかどうか」にある。
そして、意見とは「提案すること」だといいます。
たとえば「昨日から強い雨が降っている」。
これに対して賛成・反対は言えません。
このような事実の説明や感想は意見に含まれません。
「昨日から強い雨が降っている。だから遠足を中止にしよう」。
これに対しては「残念だけど中止にしよう」や「いやいや、雨の中でも決行するのが遠足でしょ!」と賛成・反対が言える意見になっています。
では、なぜ意見が求められるのか。
新入社員に求められているのは答えではありません。
それは、話を転がすきっかけが求められているからだというのです。
「意見が言えない人は、いてもいなくてもいい存在」という言葉が強く印象に残りました。
不器用でも自分の意見を発信していきます。
世界一単純な問題解決のルール
皆さんも周りを見渡すと、様々な問題にあふれているのではないでしょうか。
そんな問題を解決するための3つのルールを教えていただきました。
1 実害のないことで騒がない
「不快感」「不謹慎」「面倒くさい」「非常識」「不公平」…
こうした気分や思い込みといったことで騒がないことが大切だといいます。
具体例として「芸能人の不倫が許せない」ことが挙げられます。
実際、テレビを見ている人は何も被害を被ってないでしょう。
つまり、「別にいいじゃないか」と思えることがポイントだといいます。
一方、実害のあることとは「命かお金」に関わること。
「健康被害」「お店の売り上げ」など。
これは誰も否定できないでしょう。
問題を提起をする際、「実害のあること」と「実害のないこと」を分けることから始める大切さを学びました。
2 心がけではなく仕組みを変える
変えることが難しいことの1つに「人の心」があります。
人の心を改善しようと力を入れるより、仕組みを変えた方が問題解決につながりやすいといいます。
抱えている問題は「アルバイト従業員が不適切な写真をSNSに投稿する問題を防ぎたい」とします。
この問題をどうすれば解決できるでしょうか。
鈴木さん曰く「採用の申し込みを往復はがきに限定する」ことによって効果が出るといいます。
今の時代に往復はがきをわざわざ出してくれる人はSNSをあまりやらない人がおそらく多い。
心に焦点を当てた「情報リテラシーを教える」ことよりも効果がありそうです。
最初からやる気のある人を集めるという発想の転換に感心しました。
3 禁止令、罰則よりもクールな手はないか
手取り早い解決策として「禁止令、罰則」をついつい考えがち。
ただ、そこで「クールな手」、つまり「より効果が大きく、より効果が確実で、よりコストが少なく済む解決策」を探すことが大切だといいます。
丘の上にある高校では、下校時に坂道を猛スピードで駆け下りる生徒がいて問題です。
坂の終わりは大きな道に面しており、自動車と衝突する事故が多発しています。
この問題の解決策は、どちらがクールでしょうか。
1.自転車で坂を駆け下りたら停学処分
2.自転車置き場を坂の下に作る
2の方が断然クールですね。
最初に思いついた考えがベストだとは思わずに、「もっといい答えはないか」と考える習慣の重要性を教わりました。
オススメ本
コミュニケーションについて書かれた本といえば「話し方」について書かれたものが多い印象。
しかし、本書は「答え方」にフォーカスをしており一線を画している印象を受けました。
これまでの「答え方」を振り返ると、質問の意図を正しく理解して答えられなかったことを痛感しました。
コミュニケーションに興味のある方にオススメです。
仕事や人生のごちゃごちゃした問題をサクッと解決したい。
そんな方にオススメの一冊。
本書でいう「ミニマル思考」とは、頭の中から無駄を削ぎ落とし、残った最小限の「考えるべきことに集中する思考を意味します。
今回のブログで紹介した問題解決のルールについてもより詳しく説明されています。
180ページ弱とコンパクトな中にポイントがギュッと詰まっています。
これから将来を考える上で、公務員を目指す方もいるでしょう。
そこで避けられないのが公務員試験。
CSS公務員セミナーの講師でもある鈴木さんから、試験を突破するためのヒントが得られます。
武器を持って試験に立ち向かうか否かでは心の持ちようも変わってくるでしょう。
頭の中のモヤモヤをスッキリさせて、合格へ向かって一直線に進んでいきましょう。
お話を終えて
これまでを振り返ると頭の中がごちゃごちゃになっていたな、と痛感しました。
相手は何を求めているものは何か。
他者への想像力の重要性を感じました。
相手の求めるものを届けるということは、普段の生活から仕事まで、どんな場面でも大切になってくる要素ではないでしょうか。
コミュニケーションの本質を学ぶことができたと思います。
また、問題解決のための新しい発想を教わることができました。
頭の中の「ムダ」を削り、本当に大切なことだけに注力していきます。
鈴木さんありがとうございました。
本日も読んでくださりありがとうございます。