出逢いの教室

学びをきっかけに「新たな視点」を届けたいブログ

圧倒的な量の積み重ねが運を引き寄せる 金沢景敏さん

TBSの看板を捨て、完全フルコミッションの生命保険の世界へ。厳しい世界に身をおきながらも、第一線で活躍し続ける金沢さん。

 

「僕は運がいいんです」
なぜ、多くの運を引きつけられるのか——。

 

そこには、金沢さんが持つ考え方と行動に秘密がありました。

 

プロフィール

f:id:unic0:20191229094056j:image

金沢 景敏(かなざわ あきとし)

京都大学工学部工学化学科卒業。東大寺学園高校では野球部に所属。早稲田大学理工学部を中退後、2か月の受験勉強を経て京都大学に入学。アメリカンフットボールをはじめ活躍。京大卒業後TBSに入社。世界陸上やオリンピック中継、格闘技中継などのディレクターをした後、編成としてスポーツを担当。 2012年よりプルデンシャル生命保険に転職し、1年目で個人保険部門全国約3200人中の1位になる。 全国の営業マンの中でトップ0.01%程度しかいないTOTに3年目で到達。 

 

テレビ業界から保険業界へ飛び込む 

僕はもともとTBSというテレビ局で働いていました。2012年にプルデンシャル生命という外資の生命保険に転職。完全フルコミッションの世界で1年目に日本一。実は保険業界のギネス記録を更新しました。今期も保険の営業マン約30万人の中で1位になりました。なぜ結果を出せたかというと、めちゃくちゃ運がいいから。運がいいのはなぜかというと、誰よりも圧倒的な量をしているからです。

 

金沢さんの中にある「かっこよく生きる」という美学

 

単純に世の中でうまくいくためには量で、母数を作ることが必要です。圧倒的な量からしか質は生まれません。面白いことにエネルギーは出せば出すほど増える。能力は使わないと増えません。スポーツ、勉強、バイト、ナンパ…何でもいい。理屈効率を抜きでアホになれる、その経験が人生トータルでプラスになります。

 

棚から牡丹餅をもらえる人の共通点

社会に生きる際は、母数を作ることをすごく意識した方がいい。僕は運がいいので、棚から牡丹餅をすごくもらえます。ただ、棚から牡丹餅をもらえるのは、棚に牡丹餅を置いているから。ないところからは、絶対に落ちてきません。

 

たとえば、100個置いて1個落ちるとしたら、300個置いたら3個落ちてくるし、1000個置いたら10個落ちてくる。ただ、落ちてきても気づかないと意味がないし、落ちてきた後に動いてしっかり結果を出すことが必要です。

 

æ¥æ¬, 大éª, æ³, ã¢ã¸ã¢, ã©ã³ããã¼ã¯, æè¡, ã¢ã¼ã­ãã¯ãã£, æå

 

それに気がついたのはナンパでした。僕らの時代は、いかにナンパをしてポケベルの番号を聞くかという時代でした。僕は中高男子校だったので、中学校3年生時に1日で喋る女性というのが、保健体育のおばちゃんとおかんぐらいしかいませんでした(笑)。「これは、やばい一生彼女ができない」と思って、友達4人とナンパしに行きました。

 

そこで気がつきました。10人から声をかけて1人からポケベル番号をもらえるのであれば、20人からは2人、30人だったら3人…といった具合に、母数に比例している。10人に声かけて番号をもらえる人数を1人から3人にしようとトークスキルを磨くよりも、30人に声をかけた方が早い。やっている間に確率が上がりました。

 


イチロー選手の美学にハッとさせられます

 

そういう感覚にフィットしたのは、イチローさんの言葉でした。イチローさんは、一回も打率を求めたことがないといいます。なぜなら、打率を求めると失敗するのを恐れるから。たとえば、4割打ちたいと思って最終打席が4割だったら立ちたくないでしょう。打てなかったら4割を切るから。だから、イチローさんは打率よりも安打数だという。「結局、安打数を出すには打席に立つしかない」その話を聞いたときに、自分のやっていることは間違っていないと思いました。

 

手放して気づいた「ありがたい」という気持ち

人は面白いことに、手放すものが大きければ大きいだけ、得るものが大きいチャンスがやってきます。握っている限り新しいものは掴めません。たとえば恋愛もそう。好きな子に振られて、そこにずっと執着していたら新しい彼女はできません。

 

TBSという安定した収入と大きい看板を捨てることですごく得るものがありました。それは何かというと、考え方が変わりました。TBSをやめてから、すごく大変でした。テレビ局で働いている時の僕は今から思えば、「テレビに出してあげる」「取材してあげる」といった気持ちがどこかにありました。業界の人も「あなたが金沢さんですか、聞いていますよ!若くして活躍してすごいですね」と態度を変えます。それが嬉しくて、気持ちよかった。

 

プライベートは3人のお子さんを持つかっこいいお父さん

 

そこからプルデンシャル生命、俗に言う保険の営業マンになりました。名刺を渡した時の人の反応が180度変わりました。「あぁ、また保険の営業ね」と名刺を捨てられ、電話しても出ない、メールしても返信が来ない。人に会ってくれないどころか、本人に連絡すら取れない。そういう状況になって初めて人が会ってくれることのありがたさを感じました。テレビ業界は名刺さえ出せば、誰でも会ってくれた。ただ、保険業界は誰もが売り込まれると思って距離をおく。本当に当たり前じゃない、感謝するとはこういうことだという単純なことに気がつけました。

 

皆さんがいま教室にいることを、当たり前に思うかもしれませんが、裏から見れば当たり前ではない人も絶対にいます。毎日、美味しいご飯を食べられない人もいる。そう考えたら、「ありがとう」と思えた瞬間に人は考え方が変わります。

 

弱さを認めて強くなれた

自分が弱いし、サボりたいし、楽をしたい人間だということをわかっている。わかったことによって、すごく変われました。それがわかったのは大学のアメフト部でした。京都大学のアメフト部で一生懸命やっていましたが、日本一になれませんでした。ただ、日本一を本気で目指してなかったことを自分でわかりました。どこかで「立命館には勝てない」「監督来ないから楽をしよう」「早く引退したいな」「京大アメフト部の肩書きさえあれば、この先ずっと生きていける」と思っていたのです。

 

実際、TBSに入ってもすごいなと言ってもらえた。ただ、自分には嘘をつけません。やりきっていないことは、自分でよくわかっている。TBSをやめるときに、そうした自分と向き合って、受け入れました。

 

ã²ã¼ã , ã¹ãã¼ã, ããã¯, ã¢ã¡ãªã«ã³ããããã¼ã«, ãã¼ã«, ãã«ã¡ãã

 

だから、この保険の仕事では「どうなりたいの」「どうありたいの」と常に自問をしています。

 

「また逃げて後悔する?いや、逃げたくない」「この人に電話するのをやめる?メールしない?どっちがなりたい自分に近づくのか」「休息が必要なのか?それとも、ただ眠いのか?」

 

そうすると、自分が選べなかった道が選べるようになります。人間は言い訳を考える天才。険しい道を選べるようになったのは、自分が日本一から逃げたことを自分で認めたからです。いろんな意味で完璧な人間はいません。「自分って、どういう人間なんだろう?」と1日1回考えるだけで、人生変わると思います。

 

挫折だらけの経験

華々しい人生に思われがちですが、僕の人生は挫折だらけです。大阪生まれ育ちで、うちの親父とおかんは高卒のヤンキー。親族の中で、大学に行っているのは自分だけ。思い返すと、これも全て人のおかげなんです。

 

幼馴染の両親がヤクザということで同じ小学校に行くとヤクザになってしまう。幼稚園の先生が「違う小学校に行った方がいい」と親に言ってくれて、僕だけ私立に行きました。親も高卒ながらバブルで景気がよかったので、近畿大学附属に入れてもらえて、大学までエスカレーターでした。でも、また小学校の先生が中学を受験しろと助言をしてくれて、灘に補欠合格で東大寺に合格。普通だったら灘に行くところですが、補欠だったら行かないでいいし、風水的に東大寺に行けと。中高は野球部で全然勉強せずに浪人をしました。浪人時代、ひたすら遊んだらまた落ちました。成績良くても遊んでいる人は落ちる。成績悪くてもコツコツやっている人は合格する。ちゃんと神様はいるんだと思いました。

 

å±±, é«å°, ãã¬ã¼, ãªãã¸, ãã¼ã¯, ãã¥ã¼, 空, é², æã, 人

 

自分のことをカッコ悪いと思いながらも早稲田に入りました。楽しい学生生活でしたが、1年生の11月に実家の仕事が自己破産。理系だったので生活費にアメフト部、絶対無理という状況。早稲田を辞めて2ヶ月で京大に合格しようと本気で思いました。人生最大の決断でした。結果は、合格。人って腹を括ったらなんとかなると思いました。ただ、何とかなるのは、やることをやってないといけないと同時に思いました。

 

性格が前向きだから、自己破産して家に取り立てが来たのもプラスに思った。なぜなら、京大と受験を舐めていた自分にリベンジするチャンスをもらえたと思えたからです。親が自己破産をしなかったらそのまま早稲田にいたので。

 

京大のアメフトに入って日本一から逃げる弱い自分を突きつけられ、留年して3年遅れでTBSに入社。振り返ると、しんどいことはたくさんありましたが、全部あって今の自分があります。もし現役の時に京大に合格していたら人生を舐めていた。きっとどこかで、しっぺ返しをもらったと思います。

 

頑張る原動力はかっこよく生きること 

小さい頃から、両親に「勉強をしろ」と言われたことはありません。「喧嘩に負けるな。でも自分から手を出すな、弱いものいじめをするな、女の子に手を出すな」と。親からは、「かっこよく生きなさい」とずっと言われてきた。それが今でも活きています。自分が一番頑張るエネルギーはかっこつけることです。

 

ã·ã«ã¨ãã, ç¶ã¨æ¯å­, æ¥æ²¡, ãã£ãã, ã¢ããã¤ã¹, ãç¶ãã, ä¸ç·ã«

 

特に男の子はかっこつけたいじゃないですか。女の子にもモテたいし、かっこつけたいところが自分にはすごくある。でも、かっこつけるためには結果が必要です。お父さんが結果を出していないのに、子どもに結果を出せとは言えない。お父さんが一生懸命に頑張っていないのに、子どもに一生懸命やれとは言えない。結果が出ていない自分を想像するだけで身の毛がよだつ。だから、やる。そういった、自分の弱さとすごく向き合っています。

 

1日86,400円をどう使いますか? 

皆さんの時間は絶対貯金できません。見た目も能力も違う中で、唯一全員に与えられるのが時間。どんな人だって24時間だけは平等です。それをどう使うかで、人生は変わります。

 

たとえば、24時間は86400秒。これは例えるなら、毎日自分の口座に86,400円が振り込まれるとしましょう。それを使おうが使わまいが、23時59分59秒には必ずなくなる。そう言われたら、使いたくなりますよね。それを自分の欲望を満たすためだけに使うのか、自分を高めるために使うのか、誰と使うのか、何に使うのかで人生は変わります。この1日をどう使うかの積み重ねで人生が変わるのです。

 

æé, æé管ç, ã¹ãããã¦ã©ãã, ãã¸ãã¹, è¨ç», æè¨ç», çµç¹

 

紙っぺらだって、積み重ねて一年経ったら分厚くなります。本当に細かいことなんです。そういう意味では、学生時代は二度と来ない時間。何時に起きてもいいし、勉強してもしなくてもいいし、何をしてもいい。全て自分の意思です。時間をどう使うかで人生トータルで変わります。振り返ると学生時代は後悔があるし、その後悔をすることもいいと思います。そういった意識をして過ごせば絶対に変わるので、ぜひ大事な時間を過ごしてください。

  

もがき苦しんだ経験が大きな器を作る

いま思い返すと、大学時代のアメフトの監督は教育者でとても厳しい方でした。練習で相当メンタル的に追い込まれていましたが、「お前を絶対に甘やかさない」と言われました。「男は30歳までに器の大きさが決まる。30歳を超えて『いざ勝負』というときに自分のやりたいことだけ、楽なことだけして来た人は、器が小さくてその中でしかやれない。今もがき苦しんでいることは、全てお前の器を作っている。死ぬほどしんどい思いをしろ」と教わりました。

 

 力強い言葉が背中を押してくれます

 

学生時代にもがき苦しん経験、TBSに入ってぼろ雑巾のようにADとして働いた経験、いろんなしんどいこともありましたが、全部器を作っている。なぜ周りの人より結果を出せるかというと、頑張れる器が大きいだけなんです。頑張った経験が50歳、60歳になってプラスになるかもしれない。それが活きるのがいつかはわかりませんが、必ず、自身の力になります。

 

物の見方、捉え方次第で人生は変わる 

これから絶対嫌なことにぶち当たります。でも、それは自分次第で絶対プラスに変えられます。何事も考え方次第です。

 

大学で入院中に振られる悲劇がありました。いま思い返しても胸が痛い時もありますが、その時も思ったのが「絶対に見返させてやろう」ということ。次のシーズンで大活躍して、振ったことを後悔させてやろうと思いました。こうした怒りや悔しさの感情を他人に向けると刃になりますが、自分に向けるとエネルギーになるのです。

 

ã©ã³ãã¼, ã¸ã§ã®ã³ã°, ãã©ã½ã³, é², é¨, ã¦ã§ãã, å®è¡, 人é, 人

 

ちょっとして捉え方次第でエネルギーに変わります。そうしないと人生もったいない。一人ひとり能力に差はありますが、可能性は無限大。その自分の可能性を信じられるかで人生は変わります。高校や大学、社会人最初の頃は、何がやりたいとかありませんでした。ただ、一生懸命やって来たのがよかった。

 

いま色々と言っていることが、わからなくてもいい。ただ、これから10年後、20年後に「そういえばあんなことを言っていたな」と思い返してもらえたらと思います。

 

まずは自分を幸せにしよう

たとえば、僕がポックリ死んだら家族は悲しむと思いますが、社会は変わりません。人はちっぽけな存在だから、自分のやりたいことをやればイイ。ただ、それが誰かをだましたり、傷つけたりすることではだめ。また、自分が思っているほど、他人は自分のことを何とも思っていません。所詮お互い他人事なので、周りの声を気にして自分のやりたいことをやれないのはもったいないと思います。

 

人生において、一番不幸せなことは人に決められること。自分で決めたことは言い訳をしません。ただ、人に決められた人生を送っている人が多い。自分の人生なんだから、自分で決めて自分が幸せになればいい。まずは自分が幸せになること。自分のために頑張れないと他の人のために頑張れないし、自分を満たさないと自分を満たせないし、自分を大切にしないと周りを大切にできません。

 

è¦è´è, ã³ã³ãµã¼ã, é³æ¥½, ã¨ã³ã¿ã¼ãã¤ã¡ã³ã, 人, 群è¡

 

ただ、自分だけ良ければイイとは違う。僕は自分が幸せになることによって、家族が幸せになると思っています。自分がやりたいことをみんなで楽しんでやるんです。

 

皆さんもせっかくの学生生活、自分の人生を豊かにするために日々行動してもらえたらと思います。本日はありがとうございました。

 

お話を終えて  

自分の心奥底にある熱い想いがこみ上げてくるお話でした。

 

プラスの感情も負の感情も全て自分の力に変える金沢さんの姿勢はとても学びになりました。小さな捉え方の違いが、大きな成果になると実感。

 

圧倒的な量をこなしているからこそ点と点がつながって線となり、結果的に運がついてくる。「最近、ついてない」と思った際は、一度立ち止まって自身の言動を振り返ると気づきが得られるかもしれません。